建設業許可について
建設業法では、建設業を営む者は、以下に掲げる「軽微な工事」を行う場合を除き、29種の建設業の種類(業種)ごとに、国土交通大臣または都道府県知事の許可を受けなければなりません。
(許可を不要とする軽微な工事)
①建築一式工事の場合
・一件の請負代金が1,500万円(消費税込み)未満の工事
・請負代金の額に関わらず、木造住宅で延床面積が150㎡未満の工事
②建築一式工事以外の工事の場合
・一件の請負代金が500万円(消費税込み)未満の工事
建設業許可取得のメリット
建設業許可を受ける主なメリットは、次のようなことが挙げられます。
・今まで受注できなかった大規模な工事も請負えるようになり、売り上げアップにつながる。
・許可業者を求める元請のニーズに応えられる。
・許可を取得したことで社会的な信用度が高まり、新たな販路拡大につながる。
建設業許可を受けるための要件
建設業許可を取得するためには、大きく5つの要件を満たさなければなりません。
1.経営業務管理責任者がいること
経営管理責任者とは、その営業所において、営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、
建設業の経営業務について総合的に管理し、執行した経験を有した者をいいます。
経営業務管理責任者の要件
法人では常勤の役員。
個人では、個人事業主本人または支配人が以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 許可を受けようとする建設業(業種)に関して、5年以上の『取締役』もしくは『個人事業主』としての経験を有していること
- 許可を受けようとする業種以外の建設業に関して、7年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していること
- 許可を受けようとする建設業(業種)に関して、7年以上経営業務を補佐した経験を有していること
さらに、経営業務の管理責任者として、いくつかのことを証明しなくてはなりません。
これらを証明するためには、確定申告書の写し、工事請負契約書、注文書、請求書等の写しなどが必要となってまいります。
2.専任技術者が営業所にいること
専任技術者とは、その営業所に常勤して、専らその業務に従事する者をいいます。
一定の実務経験や、一定の資格を持つ人物等が専任技術者となることができます。
一般建設業許可と特定建設業許可で、専任技術者の要件は変わってきます。
一般建設業許可の場合
下記のいずれかの要件を満たす必要があります。
- 大学(高等専門学校・旧専門学校を含む)所定学科卒業後、許可を受けようとする業種について3年以上、高校(旧実業学校を含む)の場合、所定学科卒業後5年以上の実務経験を有する者
- 学歴・資格の有無を問わず、許可を受けようとする業種について10年以上の実務経験を有する者
- 許可を受けようとする業種に関して一定の資格を有する者。その他、国土交通大臣が個別の申請に基づき認めた者
特定建設業許可の場合
下記のいずれかの要件を満たす必要があります。
- 許可を受けようとする業種に関して、国土交通大臣が認めた試験に合格した者、または国土交通大臣が定めた免許を受けた者
- 上の一般建設業許可の要件の(1)~(3)のいずれかに該当し、かつ元請けとして4,500万円以上の工事(平成6年12月28日前については3,000万円、さらに昭和59年10月1日前については1,500万円以上の工事)について2年以上の指導監督的な実務経験を有する者
- 国土交通大臣が1、2に掲げる者と同等以上の能力を有すると認めた者
ポイント
※2以上業種の許可を申請する場合、許可の各基準を満たしている者は、
同一営業所において、それぞれの業種の専任技術者を兼ねることができます。
※経営業務の管理責任者と専任技術者の双方の基準を満たしている者は、
同一営業所において、両者を1人で兼ねることができます。
3.請負契約に関して誠実性を有していること
次に掲げる方が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがないことが必要です。
・法人の場合・・・・その法人、役員等、支店または営業所の代表者
・個人事業の場合・・個人事業主または支配人
なお建設業法では、「不正」または「不誠実な行為」を行ったことにより免許の取り消し処分を受け、あるいは営業の停止などの処分を受けて5年を経過しない者は誠実性のない者として扱われます。
4.請負契約を履行するに足る財産的基礎または金銭的信用を有していること
一般建設業許可か特定建設業許可かで必要になる財産要件は変わります
一般建設業許可の場合
次のいずれかに該当する必要があります。
- 自己資本の額が500万円以上であること
- 500万円以上の資金を調達する能力を有すること
- 許可申請の直前に於いて、過去5年間許可を受けて継続して建設業を営業した実績を有すること
特定建設業許可の場合
次のすべてに該当する必要があります。
- 欠損の額が資本金の額の20%を超えていない
- 流動比率が75%以上であること(流動比率=流動資産÷流動負債×100)
- 資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以上であること
5.欠格要件に該当しないこと
欠格要件に該当する法人または個人は、上記の許可要件を満たしていても許可を受けることはできません。
- 建設業許可申請書もしくは添付書類中に、重要な事項について虚偽の記載があったり、重要な事実の記載がされていないとき
- 建設業許可を受けようとする者が次のいずれかに該当するとき
- 成年被後見人、被保佐人または破産者で復権を得ない者
- 不正の手段で許可を受けたこと等により、その許可を取り消されてから5年を経過しない者
- 許可の取り消しを免れるために廃業の届出をしてから5年を経過しない者
- 建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、あるいは危害を及ぼすおそれが大であるとき、又は請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
- 禁固以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 建設業法、建築基準法、労働基準法等の建設工事に関する法令のうち政令で定めるもの、もしくは暴力団員による不当な行為の防止に関する法律の規定に違反し又は刑法等の一定の罪を犯し罰金等に処せられ、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
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